この章では、あなたのパソコンを「最強の自動化工房」に変えるための準備を行います。 具体的には、Node.js、Clasp、VS Codeという3つのツールをインストールします。
1. 開発環境=「あなたの工房」を作る
これから、あなたのパソコンに「プログラミングをするための道具」を揃えていきます。
正直に言います。ここが一番の難所です。 多くの人が「環境構築」で挫折します。なぜなら、普段見慣れない画面や用語が出るからです。
でも、安心してください。 「ただの手順」 です。料理のレシピと同じで、書いてある通りにやれば必ず成功します。 ここさえ乗り越えれば、あとは楽しい「自動化ライフ」が待っています。一緒に頑張りましょう!
必要な道具は3つです。それぞれの役割をイメージしてください。
- Node.js (ノード・ジェイエス): 「エンジン」
- Claspを動かすための動力源です。これがないと何も動きません。
- Clasp (クラスプ): 「通訳ツール」
- あなたのパソコンとGoogleのサーバーを繋ぐ、この連載の主役です。
- VS Code (ブイエス・コード): 「高機能な作業台」
- コードを書くためのエディタです。AIの力を借りるための場所でもあります。
これらを順番にインストールしていきましょう。
2. Node.js (エンジン) のインストール
Claspは、実は単体では動きません。Node.js というエンジンの上で動くプログラムです。 まずはこのエンジンをパソコンに搭載します。
手順
- Node.js公式サイトにアクセスします。
- 画面に大きく表示されているボタンのうち、「LTS (推奨版)」 と書かれている方をクリックしてダウンロードします。
- ※「最新版」ではなく「LTS(長期サポート版)」を選ぶのが、プログラミングの世界では「安定していてトラブルが少ない」という鉄則です。
- ダウンロードしたファイル(インストーラー)をダブルクリックして起動します。
- 「Next」ボタンを何度か押して進めていきます。
- 途中でチェックボックスなどがたくさん出てきますが、すべてデフォルト(そのまま)で大丈夫 です。
- 最後に「Finish」を押して完了です。
インストールできたか確認する(重要!)
ここで初めて「ターミナル」を使います。インストールが成功したか、エンジンをふかして確認してみましょう。
- Windowsの方: スタートメニューで「PowerShell」と検索して開いてください。
- Macの方: Spotlight(Command + Space)で「Terminal」と検索して開いてください。
開いた画面で、以下の文字を入力して Enter キーを押します。
node -v
v20.10.0 のような数字が表示されましたか?
これが表示されれば、あなたのパソコンにエンジンが搭載されました!
(もし command not found やエラーが出る場合は、パソコンを一度再起動してからもう一度試してみてください)
3. Clasp (道具) のインストール
Node.jsを入れると、オマケで npm というツールも一緒に入っています。
これは「プログラマー専用のアプリストア」のようなものです。これを使ってClaspをインストールします。
先ほどのターミナルで、以下の呪文を入力して Enter を押してください。
npm install -g @google/clasp
このコマンドの意味
npm install: 「アプリストアからインストールして!」という命令-g: 「Global(グローバル)」の略。「このパソコンのどこからでも使えるようにして!」という意味です。これを忘れると、特定のフォルダでしかClaspが使えなくなってしまいます。@google/clasp: インストールしたいツールの名前です。
画面に文字がズラズラ流れますが、最後に Error という文字がなければOKです。
確認のために、以下を入力してみましょう。
clasp -v
2.4.2 のようなバージョン番号が表示されれば、Claspの準備は完了です!
4. VS Code (作業台) の準備
最後に、コードを書くための「作業台」、VS Code を入れましょう。 Windowsの「メモ帳」でもコードは書けますが、VS Codeを使うと「書き間違いを教えてくれる」「色分けして見やすくしてくれる」など、執筆速度が10倍になります。
- VS Code公式サイトからダウンロードしてインストールします。
- インストールして起動したら、左側の四角いアイコン(拡張機能)をクリックします。
- 検索バーに以下の名前を入れて、それぞれ「インストール」ボタンを押します。
必須の拡張機能
- Japanese Language Pack for Visual Studio Code:
- VS Codeを日本語化します。これがないとメニューが全部英語です。
- Google Apps Script:
- GASのコードを書くときに、色分けや入力補完(途中まで打つと候補が出る機能)をしてくれます。
5. 最強の相棒:GitHub Copilot (AI Agent) の導入
ここが一番重要です。 2025年現在、プログラミングは「人間が全部手打ちする」時代から、「AI Agentと一緒に作る」 時代に変わりました。 基本を学ぶために手打ちも大事ですが、実務ではAIを使うのが当たり前です。
GitHub Copilot (ギットハブ・コパイロット) とは?
あなたの隣に座っている「超優秀な先輩エンジニア」だと思ってください。 「こういう処理を書きたい」とコメントするだけで、コードを提案してくれます。 さらに、チャット機能を使えば「このエラー直して」「もっと短く書いて」といった指示も聞いてくれます。
導入手順 (2025年12月現在)
- VS Codeの拡張機能メニューで 「GitHub Copilot」 を検索してインストールします。
- インストール後、右下に「GitHubにサインイン」という通知が出るので、クリックしてログインします。
- (まだ契約していない場合)ブラウザが開くので、無料トライアルまたはプラン契約(月額10ドル程度)を行います。
- ※学生の方は無料です。
- ※Cursorなど、Copilot以外のAIエディタも人気ですが、まずは業界標準のVS Code + Copilotをおすすめします。
これを入れるだけで、「孤独な作業」が「ペアプログラミング」に変わります。 初心者が挫折する最大の原因は「エラーが解決できないこと」ですが、Copilotがいれば「これどういう意味?」と聞くだけで解決します。 「Agent必須」 と言っても過言ではありません。ぜひ導入してください。
6. よくある質問 (Q&A)
Q1. インストール中にエラーが出ました!
A. 落ち着いて、エラーメッセージを読みましょう。
よくあるのは「権限がない」というエラーです。
Windowsなら「管理者として実行」、Macならコマンドの前に sudo をつけると解決することがあります。
エラー文をコピーして、ChatGPTやCopilotに「このエラーはどういう意味?」と聞くのが一番早いです。
Q2. Node.jsのバージョンが古くてもいいですか?
A. できれば新しいLTS版を使いましょう。 古すぎるとClaspが動かないことがあります。
Q3. Copilotはお金がかかりますか?
A. 基本は有料ですが、投資対効果は抜群です。 月額1000円ちょっとで「24時間質問し放題の家庭教師」を雇えると思えば、破格の安さです。 まずは無料トライアルで威力を体感してみてください。
7. 理解度チェッククイズ
Q1. Claspを動かすための「エンジン」の名前は? A. Python B. Node.js C. Java
Q2. Claspをインストールするコマンドは?
A. npm install -g @google/clasp
B. download clasp
C. install google-apps-script
Q3. 2025年の開発スタイルとして推奨される「AIの相棒」の名前は? A. Siri B. Alexa C. GitHub Copilot
答え合わせ(クリックして開く)
Q1: B Node.jsがエンジンです。
Q2: A
npm コマンドを使ってインストールします。-g を忘れずに!
Q3: C GitHub Copilot(Agent)と一緒に開発するのが現代のスタンダードです。
これで、プロのエンジニアと同じ「最強の開発環境」が整いました! 次はいよいよ、GoogleアカウントとClaspを接続します。
>> 次の章:第3章 GoogleアカウントとClaspをつなぐ
One thought on “第2章:Claspを使うための環境を作る”