第5章:ロボットに最初の命令(コード)を書いてみよう

この記事の内容について、業務や開発でお困りの場合は個別に対応できます。

いよいよ、あなたの代わりに働くロボットの「頭脳」を作っていきます。VS Codeで命令書(コード)を書き、それをGoogleのサーバーにいるロボット本体に送信(プッシュ)し、正しく動くか確認するまでの一連の流れを体験します。AI(Copilot)に手伝ってもらう方法も紹介!

1. VS Code で「命令書」ファイルを作る

前章で code . を使って、ロボットの「設計室(VS Code)」を開きましたね。 左側のファイル一覧が表示されているエリア(エクスプローラー)で右クリックし、「新しいファイル」 を選びます。

ファイル名は main.js にしましょう。 main は「メインの、主要な」という意味で、プログラムの世界では「ここが処理の中心ですよ」という意図でよく使われる名前です。

⚠️ 豆知識:拡張子の話

  • Googleのサーバー上: GASのファイルは .gs という名前です。
  • あなたのパソコン上: 私たちは .js (JavaScript) という名前を使います。

「え、名前が違って大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、全く問題ありません。 通訳ツールである Clasp が、あなたが書いた .js ファイルをGoogleに送るときに、自動的に .gs に翻訳してくれます。 パソコン上では .js にしておくことで、VS Codeの便利な機能(コードの色分けや入力補助)を最大限に活用できるので、開発がずっと楽になります。

2. ロボットへの最初の命令を書いてみる

作成した main.js に、以下の命令をコピー&ペースト(または手入力)してみてください。 これは「『こんにちは!』と挨拶して、簡単な計算をする」という、ロボットへの最初の指示です。

function doSomething() {
  // Logger.log は「これを記録しておいて」という命令
  Logger.log("こんにちは!初めての仕事です。");
  
  // 簡単な計算もできます
  const sales = 10000;
  const tax = sales * 0.1;
  Logger.log("売上10,000円の消費税は " + tax + " 円です。");
}

書き終わったら、キーボードの Ctrl + S (Macなら Command + S) を押して、ファイルを保存します。 これを忘れると、せっかく書いた命令がパソコンの中に置かれたままで、ロボットに届きません! 保存は癖にしましょう。

🤖 ここでAI Agent (Copilot) の出番!

もしあなたがGitHub Copilotを導入しているなら、魔法のような体験ができます。 「手打ち」は勉強にはなりますが、実務では 「Agentに書いてもらう」 のが基本です。

パターンA:コメントから生成する

書いたコードの続きに、日本語でこうコメントを書いてみてください。

// 今日の日付を取得して、「本日のレポートです」という形式でログに出力する

と書いて Enter キーを押すと… AIがフワッと薄い文字で const today = ... のようなコードを提案してくるはずです。 その提案でよければ Tabキー を押すだけで、コードが自動で入力されます。

パターンB:チャットで依頼する (Agentモード)

VS Codeの左側にあるチャットアイコン(または Ctrl + I)を押して、こう入力してみてください。

「スプレッドシートのA列を全部読み込んで、ログに出すコードを書いて」

すると、Agentがコードを生成してくれます。あなたは「Accept(適用)」ボタンを押すだけ。 これが「AIとの共同作業」です。あなたはやりたいことを日本語で伝えるだけで、面倒なコーディングはAgentが肩代わりしてくれます。

3. 命令書をロボットに送信する (push)

あなたがパソコンで書いた命令書を、Googleのサーバーにいるロボット本体に送ります。これを 「プッシュ (push)」 と呼びます。 「手元の最新の指示を、向こう側にグッと押し込む」イメージです。

VS Codeの下の方にあるターミナル(もし無ければ Ctrl + @ で開けます)で、以下のコマンドを入力します。

clasp push

画面に Pushed 1 file. のように表示されれば成功です。 これで、あなたのパソコンにあった main.js が、Googleのサーバーに main.gs として無事に届きました。

4. ロボットが正しく動くか、現場で確認する

命令がちゃんと届いて、ロボットが理解してくれたか確認しにいきましょう。

clasp open

このコマンドを打つと、ブラウザでGoogleのGAS開発画面(ロボットの現場)が開きます。 左側のファイル一覧に main.gs があり、中身が先ほど書いたコードと同じになっているはずです。

  1. 上部のツールバーで、実行する命令 doSomething が選ばれていることを確認します。
  2. 「実行」 ボタンを押します。
  3. (初回のみ)「このロボットにあなたのGoogleデータへのアクセスを許可しますか?」という承認画面が出ます。これはあなたが書いたコードなので、安心して「許可」してください。
  4. 画面下の「実行ログ」に こんにちは!... と表示されれば大成功です!

5. よくある質問 (Q&A)

Q1. clasp push を忘れるとどうなりますか?

A. Google上のロボットは古い命令のまま動きます。 「コードを直したのに直ってない!」という時は、十中八九 clasp push の忘れか、ファイルの保存忘れです。

Q2. ファイル名は main.js 以外でもいいですか?

A. はい、自由です。 invoice.jsreport.js など、中身がわかる名前をつけるのが良い習慣です。

Q3. 日本語のコメントは消したほうがいいですか?

A. いいえ、残しておきましょう。 未来の自分へのメモになりますし、AIがコードを理解する助けにもなります。

6. 理解度チェッククイズ

Q1. パソコン上でGASのコードを書くときの拡張子は? A. .txt B. .gs C. .js

Q2. 書いたコードをGoogleに送信するコマンドは? A. clasp send B. clasp push C. clasp upload

Q3. コードを変更したのに反映されない!原因として考えられるのは? A. ファイルを保存していない (Ctrl+S 忘れ) B. clasp push をしていない C. 両方

答え合わせ(クリックして開く)

Q1: C パソコン上ではJavaScript (.js) として扱います。

Q2: B 「押し込む」イメージで push です。

Q3: C 保存して、プッシュする。この2ステップが必要です。


おめでとうございます!あなたは今、プロの開発者と同じサイクルを体験しました。

  1. 作る: パソコン(VS Code)で命令(コード)を書く。
  2. 送る: clasp push でロボットに送信する。
  3. 確認する: clasp open で現場を見に行き、実行してみる。

この 「作って→送って→確認」 のリズムが、自動化ロボットを育てていく上での基本ステップになります。 最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れると数分でこなせるようになります。

次の章では、この開発サイクルをよりスムーズにし、安全に開発を進めるための「現場のルール」について学びます。

ZIDOOKA!

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最後までお読みいただきありがとうございました

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