いよいよ、あなたの代わりに24時間働いてくれる「デジタルの部下(GAS)」に、あなたのパソコンから指示を出せるようにします。clasp loginという「挨拶」の儀式です。少し専門的な画面も出ますが、この記事通りに進めれば大丈夫。ここを乗り越えれば、自動化の世界はもう目の前です!
1. なぜ「挨拶(ログイン)」が必要なのか?
前回、あなたのパソコンに Clasp という「GASへの通訳ツール」を入れました。
しかし、今のままでは Clasp はあなたのGoogleドライブやスプレッドシートを勝手に見ることはできません。当然ですよね。部下だからといって、社長の机の引き出しを勝手に開けたら大問題です。
そこで、「このパソコンからの指示は、私(あなた)の指示ですよ」 とGoogleに教えてあげるための「挨拶(ログイン認証)」という儀式が必要になります。
これは一度だけ行えばOKです。さあ、サクッと済ませてしまいましょう!
2. Step 1: 部下が通る「専用ドア」の鍵を開ける
まず、あなたのGoogleアカウント側で、Clasp のような外部ツールからの指示を受け付けるための「専用ドア(API)」の鍵を開けます。
普段はセキュリティのために閉まっているので、これを開けてあげるイメージです。
- ブラウザで Google Apps Script 設定ページ にアクセスします。
- ※もしGoogleにログインしていない場合は、自動化で使いたいアカウント(個人のGmailアカウントなど)でログインしてください。
- 「Google Apps Script API」 という項目を見つけてください。
- スイッチをクリックして 「オン」(青色)にします。
これだけです!社長室のドアを開けて「入ってよろしい」と許可するようなものですね。
これを忘れると、あとで部下が「社長、ドアが開きません!」(User has not enabled the Google Apps Script API) と言ってきてしまいます。
3. Step 2: 通訳ツール(Clasp)と固い握手を交わす
いよいよ、あなたのパソコンとGoogleアカウントを繋げます。 ターミナル(黒い画面)に戻って、以下の「挨拶コマンド」を打ち込み、Enterキーを押してください。
clasp login
すると、自動でブラウザが開き、Googleのログイン画面が表示されます。
画面の指示に従うだけ!
- アカウントの選択: 先ほど「専用ドア」の鍵を開けたGoogleアカウントを選びます。
- アクセスのリクエスト: 「Claspが、あなたのGoogleアカウントへのアクセスを求めています」という画面が出ます。これは、部下が「請求書のデータをスプレッドシートに書いてもいいですか?」と許可を求めているのと同じです。
- ここで 「許可」 をクリックします。
⚠️「このアプリはGoogleによって確認されていません」という警告画面が出たら?
事業で使う上で、一番ドキッとする画面かもしれません。ご安心ください。これは正常な動作です。
これは「Claspというツールは、AppStoreで売っているような一般消費者向けのアプリではなく、開発者が使う専門ツールですよ。本当に信頼できますか?」とGoogleの警備員さんが念の為に確認してくれているだけです。
ClaspはGoogle自身が作っている公式ツールなので、信頼性は抜群です。社長のあなたが「大丈夫、私の部下だ」と許可してあげましょう。
- 左下の 「詳細」 というリンクをクリック。
- 「(安全ではないページ)に移動」 をクリック。
- その後の画面で「許可」を押す。
挨拶成功のサイン
ブラウザに以下の英語が表示されたら、挨拶は成功です!
Logged in! You may close this page.(訳:ログインしました!このページは閉じて大丈夫です。)
ブラウザを閉じて、ターミナルに戻ってみましょう。
Saved the credentials to ... というメッセージが出ていれば、あなたのパソコンとGoogleアカウントの間に信頼のパイプが繋がった証拠です。
4. よくある質問 (Q&A)
Q1. 会社のアカウントと個人のアカウント、どっちがいい?
A. 最初は「個人のGmailアカウント」で練習しましょう。 会社のGoogleアカウント(Google Workspace)の場合、セキュリティ設定でClaspがブロックされることがあります。 まずは個人のアカウントで慣れてから、会社のIT部門に相談するのがスムーズです。
Q2. アカウントを切り替えたいときは?
A. 一度ログアウトしてから、再度ログインします。
clasp logout # 今の部下との関係を解消
clasp login # 別の部下と新しく挨拶する
Q3. 「ログイン」は毎回やる必要がありますか?
A. いいえ、一度だけでOKです。 パソコンを再起動しても、ログイン状態は維持されます。
5. 理解度チェッククイズ
Q1. Claspを使う前に、ブラウザで「オン」にする必要がある設定は? A. Google Maps API B. Google Apps Script API C. YouTube API
Q2. clasp login コマンドを打つと何が起きる?
A. パソコンが再起動する
B. ブラウザが開いて、Googleのログイン画面が出る
C. Googleから電話がかかってくる
Q3. 「このアプリは確認されていません」と出たらどうする? A. 怖いのでブラウザを閉じる B. 「詳細」→「安全ではないページに移動」→「許可」と進む C. パソコンの電源を切る
答え合わせ(クリックして開く)
Q1: B 「Google Apps Script API」をオンにしないと、Claspは動きません。
Q2: B ブラウザで認証を行います。
Q3: B これは開発者向けツール特有の警告です。Claspは公式ツールなので安全です。
これで、あなたの「デジタルの部下」にいつでも指示を出せる準備が整いました。 ここが一番の専門用語の壁でした。本当にお疲れ様でした!
次章から、いよいよ「請求書作成ロボット」や「売上レポート自動生成くん」を作るための、具体的なプロジェクト作成に入っていきます。ワクワクしますね!
3 thoughts on “第3章:あなたの「デジタルの部下」に仕事を任せるための最初の挨拶”