Keepa APIによるAmazon商品価格情報の取得と活用
概要
KeepaはAmazon商品の価格推移やランキングなどの情報を、API経由で提供する有力なサービスである。APIを利用することで、過去の価格履歴や統計情報を自動で取得でき、仕入れ戦略や販売戦略の策定に大いに役立つ。以下では、Keepa APIの利用手順と、取得したデータの活用方法について説明する。
必要な準備
APIキーの取得と管理
Keepa APIの利用には、有料契約に基づくAPIキーが必須である。契約後、ダッシュボードから発行されたAPIキーは、セキュリティの観点から直接コード内に埋め込むのではなく、環境変数やプロパティサービスなどを利用して管理する必要がある。これにより、キーの漏洩リスクを低減できる。
エンドポイントとリクエストパラメータ
Keepa APIのリクエストは、以下のようなパラメータを用いて行われる。
- key: APIキー(機密情報)
- domain: Amazonの地域コード(例:日本の場合は1)
- asin: 取得対象の商品のASIN(複数指定も可能)
- history: 価格やランキングの履歴情報の取得フラグ
- stats: 統計情報の取得フラグ
リクエストは、基本的にGETリクエストで行われ、URLにクエリパラメータとしてこれらを付加する形式である。
APIリクエストの処理フロー
以下の図は、Keepa APIを呼び出して商品情報を取得する大まかな処理の流れである。
- APIキーの取得
プロパティサービスや環境変数からAPIキーを読み込む。 - リクエストパラメータの組み立て
ASINやその他オプションを含むパラメータオブジェクトを生成する。 - URLクエリの構築
パラメータオブジェクトを、GETリクエスト用のクエリ文字列に変換する。 - HTTPリクエストの送信
エンドポイントに対してリクエストを実施し、レスポンスを受信する。 - レスポンスの検証とパース
ステータスコードのチェックを行い、JSON形式のレスポンスをパースする。 - データの活用
取得したデータを元に、価格推移グラフの作成や統計情報の分析を実施する。
サンプルコード(抽象化)
以下は、Google Apps Script(またはJavaScript環境)におけるKeepa API呼び出しのサンプルコードである。実際のAPIキーやASIN、詳細なパラメータは省略され、主要な処理部分のみを抽象的に示している。
/**
* Keepa APIを利用して、指定ASINの商品価格履歴を取得する関数である。
* @param {string} asin 取得対象商品のASIN
* @return {object} Keepaから返却されるデータオブジェクト
*/
function fetchPriceDataFromKeepa(asin) {
// APIキーはプロパティサービスから取得する(セキュリティ上の理由)
const keepaApiKey = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty('KEEPA_API_KEY');
// APIエンドポイント
const endpoint = 'https://api.keepa.com/product';
// リクエストパラメータ(必要なオプションのみ記載)
const params = {
key: keepaApiKey,
domain: 1, // 1は日本を意味する
asin: asin,
history: 1, // 価格履歴を取得
stats: 1 // 統計情報も取得
// 他のオプションがあればここに追加する
};
// パラメータオブジェクトをクエリ文字列に変換する
const queryString = constructQuery(params);
// GETリクエストの送信(Google Apps Scriptの場合)
const response = UrlFetchApp.fetch(endpoint + '?' + queryString, {
method: 'get',
muteHttpExceptions: true
});
// レスポンスのステータスコードを確認する
if (response.getResponseCode() !== 200) {
throw new Error('Keepa API Error: ' + response.getContentText());
}
// JSON形式のレスポンスをパースする
const result = JSON.parse(response.getContentText());
return result;
}
/**
* パラメータオブジェクトをGET用のクエリ文字列に変換するユーティリティ関数である。
* @param {object} payload key-value形式のパラメータオブジェクト
* @return {string} 生成されたクエリ文字列
*/
function constructQuery(payload) {
const queryParts = [];
for (let key in payload) {
queryParts.push(encodeURIComponent(key) + '=' + encodeURIComponent(payload[key]));
}
return queryParts.join('&');
}
コードのポイント
- セキュリティの確保
APIキーは直接コードに記載せず、プロパティサービス等を通じて管理する。これにより、キーの流出リスクを低減する。 - クエリ文字列の生成
パラメータオブジェクトからGETリクエスト用のクエリ文字列を自動生成する関数を用意している。これにより、パラメータ追加時のミスを防ぐ。 - レスポンスの検証
HTTPステータスコードを確認し、エラーがあった場合には例外をスローする実装を取り入れている。これにより、異常時のデバッグが容易になる。
Keepa APIレスポンスの活用例
Keepa APIから取得できる情報は多岐に渡るが、特に注目すべきは以下の点である。
- 価格履歴(csvフィールド)
各タイムスタンプにおける価格情報が配列形式で格納される。これを用いて、過去の価格変動グラフを生成できる。 - 統計情報(statsフィールド)
過去30日や90日間の最小・最大・平均価格などが集計されている。仕入れ戦略や価格設定の参考情報として活用できる。 - ランキングデータ
商品の売れ行きや人気度を示すランキング情報も含まれており、在庫管理やマーケット分析に有用である。
まとめ
Keepa APIを活用することで、Amazon商品の価格履歴や統計情報をプログラムで取得し、データドリブンな仕入れ・販売戦略を構築できる。
- APIキー管理やリクエストパラメータの組み立てなど、基本的な実装ポイントを押さえることが重要である。
- 取得したデータは、グラフ描画や統計解析に活用することで、より効果的な意思決定が可能になる。
この仕組みを導入すれば、常に最新の市場動向を把握し、柔軟な戦略の策定が実現できる。まずは小規模なシステムから試し、徐々に運用範囲を広げることが望ましい。