Google Apps Script(GAS)が「開けない」「エディタが真っ白」「何も起きない」。 こうした症状に直面すると、多くの人はコードや権限設定、あるいは Google 側の障害を疑います。しかし、実際には それ以前の段階で詰んでいるケース が少なくありません。
この記事では、GAS が開けない原因として非常に頻出なのに、体系的にはほとんど解説されていない 複数アカウント利用時の構造的な罠 を整理します。図解(文字なしスライド)とあわせて読むことで、「なぜシークレットウインドウだと直るのか」「なぜ Chrome プロファイルを分けると恒久的に解決するのか」が直感的に理解できます。
解決策は2つ。
- GASの権限を持つアカウントをGoogle Chromeのプロファイルと一致させる→根本的な対処
- GASの権限をプロファイルのアカウントにつけてもOK
- シークレットウインドウで開く→どうしても開きたい場合の一時的な対処
なぜ GAS は「開けない」という状態になるのか
前提として、Google Apps Script は script.google.com という Web サービスです。ここにアクセスしたとき、どの Google アカウントとしてアクセスするか は、GAS ではなく ブラウザ(Chrome)側が決めています。
Chrome で複数の Google アカウントにログインしている場合、原則として「最後に使われたアカウント」が自動的に選ばれます。デフォルトユーザが呼び出されて食い違っている挙動です。
ここで、
- GAS のオーナー/編集権限を持つアカウント
- Chrome が自動選択したアカウント
が一致していないと、GAS は 権限のないアカウントからアクセスされた状態 になります。

問題は、このとき GAS が明確なエラーを出さない点です。その結果、
- エディタが表示されない
- 真っ白な画面になる
- ぐるぐる読み込みが続く
といった「壊れているように見える」状態が発生します。
これはコードや設定の問題ではなく、アクセス主体の食い違いによって起きる現象です。
なぜシークレットウインドウだと解決するのか

シークレットウインドウの本質は、「一時的に、空のブラウザ状態を作ること」です。
- 既存のログイン情報が存在しない
- 最初にログインしたアカウントが唯一のアカウントになる
この状態で GAS を開くと、
- アカウントの自動選択が発生しない
- 権限を持つアカウントだけが使われる
という構造になります。
つまり、シークレットウインドウが有効なのは「偶然うまくいく」からではありません。間違ったアカウントが選ばれる可能性を、構造的に排除しているためです。
そのため、切り分け用途としても非常に優秀で、「まずこれで開けるか」を確認する価値があります。
なぜ Chrome プロファイルを分けると恒久的に解決するのか
Chrome のプロファイル分離は、シークレットウインドウを常設化したようなものです。
プロファイルごとに、
- ログインアカウント
- Cookie
- セッション
が完全に分離されます。
たとえば、
- 仕事用プロファイル:GAS / GCP / Workspace 用アカウントのみ
- 私用プロファイル:Gmail / YouTube 用アカウントのみ
という構成にすると、「どのアカウントとして script.google.com にアクセスするか」を考える必要がなくなります。

判断が不要になる=事故が起きない、という状態です。
これは一時的な対処ではなく、GAS を継続的に扱う人にとって最も安定した解決策です。
この問題が見えにくい理由
この問題が厄介なのは、次の特徴を持つからです。
- 再現条件がユーザー環境に強く依存する
- 明確なエラーメッセージが出ない
- Google の公式ドキュメントで構造として説明されていない
その結果、「GAS 開けない」「エディタ 表示されない」といった検索だけが増え、原因が特定されにくい状態が続いています。