技術ブログを運営していると、こんな悩みに直面することがあります。
- 記事は読まれているが、問い合わせにつながらない
- 問い合わせフォームは置いているが、使われない
- 相談が来ても、状況説明に時間がかかる
本記事では、こうした課題に対して Googleフォームに「記事文脈」を自動で注入する設計 を取り入れた結果、問い合わせの質と率が明確に改善した事例を紹介します。 具体的な案件名や数値はすべて匿名化し、再現可能な設計思想と実装の考え方に絞って解説します。
問い合わせが増えない本当の理由
一般的な問い合わせフォームは、次のような構成が多いはずです。
- 名前
- メールアドレス
- お問い合わせ内容(自由記述)
一見シンプルですが、ユーザー側には見えない負担があります。
- どこから説明すればいいのかわからない
- どの記事の話なのかを一から書く必要がある
- ちゃんと伝わるか不安
この「考える工程」こそが、問い合わせ率を下げる最大の要因でした。 価格やCTA文言以前に、説明責任をすべてユーザーに負わせている ことが問題だったのです。
発想の転換:説明させない問い合わせ導線
そこで考えたのが、
ユーザーに説明させない問い合わせフォーム
という設計です。
具体的には、記事からフォームに遷移した時点で、すでに話が始まっている状態 を作ります。
- この記事のタイトル
- この記事のURL
これらを、Googleフォームの回答欄に 自動で事前入力 しておく。 ユーザーは「この記事の内容について相談する」という前提を、考えることなく共有できます。
GoogleフォームはURLパラメータで事前入力できる
Googleフォームには「回答を事前に入力する(prefill)」機能があります。 この機能を使うと、URLパラメータ経由で特定の設問に値を渡せます。


概念的には次のような仕組みです。
https://docs.google.com/forms/d/e/XXXX/viewform
?entry.XXXXXXXX=値
この entry.XXXXXXXX が、特定の設問に対応するIDです。
WordPress側で「記事文脈」を動的に注入する
ポイントは、これを 手動ではなくPHPで動的に生成する ことです。
WordPressでは、記事ページ(single.php)から次の情報が取得できます。
- 記事タイトル:get_the_title()
- 記事URL:get_permalink()
これらを組み合わせて、フォームURLを動的に作ります。
擬似コードで表すと、次のような考え方です。
記事タイトル + 改行 + 記事URL
この文字列を、Googleフォームの該当設問に事前入力しておく。 すると、フォームを開いた瞬間に次のような状態になります。
Article: (この記事のタイトル)
URL: https://example.com/...
ユーザーは、すでに文脈が共有された状態で相談を始められます。
問い合わせ率が上がった本当の理由
重要なのは、入力項目を減らしたことではありません。
本質は、次の一点です。
認知負荷を削減した
ユーザーは、
- 何を相談していいか
- どの記事の話か
を考えなくてよくなりました。 残るのは、補足があれば書く、連絡先を書く、という最低限の行動だけです。
この一工程の削減が、問い合わせ率に直結しました。
副次効果:受け取る側の負担も減る
この設計は、受け取る側にも大きなメリットがあります。
- どの記事の話かが一目でわかる
- 技術領域の切り分けが早い
- 見積や対応可否の判断が即できる
結果として、
- やり取りの往復が減る
- 初動が早くなる
- 冷やかしが自然に減る
という効果が生まれました。
なぜ「PHPで動的」にする必要があるのか
記事ごとに手動でフォームURLを作る方法もありますが、これはスケールしません。
PHPで動的に生成すれば、
- 記事が増えても運用コストはゼロ
- 日本語・英語の出し分けも可能
- 将来的にカテゴリやタグ情報を追加できる
ブログが成長するほど、問い合わせ導線そのものが強化される設計 になります。
まとめ
問い合わせ率が上がった理由は、
- CTAを強くしたから
- 営業文を工夫したから
ではありません。
ユーザーに説明させる工程を、一つ消したから です。
技術記事は、正しく設計すればそのまま仕事の入口になります。 GoogleフォームとWordPressは、そのための十分な道具です。
もし、技術ブログを「読まれる場所」から「相談につながる場所」に変えたいなら、 まずはこの「記事文脈を自動注入する設計」から検討してみてください。